芸能

「視聴者の気を惹くテレビの仕掛け」について女性作家が考察

 テレビ局の番組には、様々な試み、仕掛けが施される。だが、受け取る側の評価は時に紙一重だ。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が分析する。

 * * *
 日本のテレビ局も視聴者も、クイズ番組が大好き。NHKから民放まで揃って、健康から食、国語算数、脳力、記憶力、漢字力、旅の蘊蓄とずらり…ありとあらゆるテーマについての「質問と答」が並んでいます。

 真面目な性格の人が多い日本人。「その答は何でしょうか?」と質問されると、ついテレビ画面にむかって正しい答を探り出そうとがんばる。質問というものは、いわば「謎」の提示です。「謎」を掲げることによって、相手の気を惹くことができる仕掛けです。

「今なぜそれを私に聞くの?」、「その質問自体、おかしいよ」と、質問そのものにチャチャを入れたり、場をぶちこわすような発想をする人は少数派。だからこそ、日本でこれほどたくさんのクイズ番組が成り立っているのかもしれません。 謎かけスタイルの娯楽文化――クイズ番組をそうとらえてみれば、目くじらをたてることはない。質問を出され、その答を一緒に探したい人が楽しんで見ているわけですから。

 けれども、謎を掲げて「気を惹く仕掛け」が、時にお門違いになることも。クイズ番組だけでなく別ジャンルに浸食しすぎれば、不愉快さにつながったりすることもある。

 たとえば、天気予報。こっちは真剣に聞いている。年末年始は家族揃って外出したり、なかなか会えない人と会食したりという、特別な予定が入ってくる時期。その時に「雪が降るかもしれない」と言われたら、かなり慌てませんか。雪に慣れていない東京人なんか、聞いただけでハラハラドキドキしてしまう。 

 TBSの情報番組「ひるおび!」で天気予報士・森朗さんが、年末年始の天気を解説していました。その内容が何だかもやもやとはっきりしない。東京でもしかしたら雪が積もるかもしれないなどと、「匂わす」。匂わせながら、しかしはっきりしたことは言わず。あえて曖昧な口調? こんなタイミングで、天気に謎かけですか?

「天気に異変が起こるかもしれない」という情報は、たしかに視聴者の気を惹く。面白おかしく天気を語るキャラクター・森氏ならではの、視聴率を稼ぐ常套手段なのかもしれません。でも、天気予報はクイズや娯楽とは違う。必要以上の思わせぶりな態度や謎かけは無用、そう感じている視聴者、意外と多いのではないでしょうか?

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン