スポーツ

甲子園常連の宗教学校・天理 少数精鋭も特待生は受け入れず

 センバツの開幕直前、昨秋の近畿大会を制した優勝候補・天理高校野球部は雨がしんしんと降り注ぐ中、学校が所有する親里野球場で練習を行なっていた。

 午後2時。球場内にサイレンが鳴り響く。キャッチボール中のナインは、キャプテンの合図で練習を中断し、全員が同じタイミングで「4拍手1礼」の所作をした。そしてサイレンが鳴り止むまで、黙祷をしながら、同じ方向に向かって深々とお辞儀をしていた。

 天理高校の部員は母体である宗教法人天理教の信者であり、練習中でも宗教的儀式を欠かすことはない。天理教の教えを説いて回る教人のひとりはいう。

「天理教では中山みき教祖が1887年に現世での姿を隠されたとされる午後2時に、教祖殿に向かって拝礼するのが慣習です。天理の教えでは今も教祖は教祖殿に存命とされていて、毎日三度の食事を出し、着替えやお風呂も準備されます」

 今年、100周年を迎えた高校野球の歴史には、とりわけ新宗教を母体とする私立高校が色濃く足跡を刻んできた。

 春夏通算7度の全国制覇を達成したパーフェクトリバティー(PL)教団を母体とするPL学園(大阪)や、辯天宗が母体で歴代最多勝監督の高嶋仁が率いる智弁和歌山が代表的な存在だ。創価高校や関西創価、金光大阪も、常連校ではないものの甲子園経験を持つ。

 そうした宗教学校の先駆けとして甲子園にその名を響かせたのが奈良の天理高校だ。

 江戸末期に誕生した天理教は関西地方を中心に広がった新宗教である。野球部の活動は前身の天理教校の創設時(1900年)から続いてきた。1954年春の初出場を皮切りに、通算49回の出場で春1回、夏2回の優勝実績を誇る。

 同校野球部は、部員が寮生活を送り、一学年20人の少数精鋭制を敷く。特待生は受け入れず、積極的なスカウト活動も行なっていない。部長の齊藤元康はいう。

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト