国内

自民総裁選 麻生氏対抗馬に岸田外相、野田聖子、小泉進次郎

 自民党では9月に総裁選挙が行なわれる。安倍晋三首相の再選は堅いとみられるが、安倍首相が躓(つまず)けば、総裁再選支持を表明して面従腹背を決め込むポスト安倍の有力者たちが動き出す。それを見越して、水面下では季節外れのポスト安倍レースが幕を開けた。

「波乱の総裁選」に一番野心満々なのが麻生太郎・副総理だ。麻生氏はこの間、再登板のチャンスを狙って派閥を急拡大させてきた。安倍首相と総裁選を争った石破茂氏が禅譲を期待して入閣し、戦う姿勢を失ったことで党内の支持勢力を細らせているのとは対照的だ。

 谷垣禎一・幹事長は安倍政権が「経済危機」で追い詰められた場合が出番と見ているようだが、自前では総裁選出馬に必要な20人の推薦人さえ集めることができない。石破氏、谷垣氏とも党内では「過去の人」だろう。

 代わって麻生氏の対抗馬に浮上するのは、宏池会のプリンスといわれる岸田文雄・外相、「反安倍」の姿勢を崩さずに毎週勉強会を開いてきた野田聖子・元総務会長、党青年部に独自の勢力を持つ若手のホープ小泉進次郎氏、そして安倍側近のタカ派グループが「総裁候補」として育成中の稲田朋美・政調会長の4人だ。政治ジャーナリストの野上忠興氏が指摘する。

「自民党内のサイレントマジョリティはポスト安倍の総裁選で安倍側近たちが担ぐ神輿が勝ち、彼らが政権中枢に残ることを阻止したい。外交や経済政策でも安倍路線の揺り戻しが起きる。そうした反安倍勢力結集の仕掛けができるのは二階俊博・総務会長ではないか。二階氏は二階派と石原派の合併交渉を進めており、実現すれば細田派(95人)、額賀派(53人)に次ぐ党内第3派閥(48人)となって総裁選のキャスティングボートを握る可能性がある」

 その二階氏は5月下旬に3000人の大訪中団を組んで北京を訪問する予定で、習近平・主席との会談を調整している。二階訪中団には安倍氏の“策なき反中”に批判的な多くの議員が同行すると見られており、「季節外れの総裁選」の号砲は北京にも鳴り響きそうだ。

※週刊ポスト2015年5月1日号

関連記事

トピックス

ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン