ペラペラと元気よくしゃべるタイプではなく、伏し目がちにちょっと口ごもりながら、何かいいかけて開きかけたその口もと。えっ? 何か言いかけました? その言葉待ってます。私だけに言って! ドラマの上戸彩も石田ゆり子も真剣に見つめていたではないですか。それこそ、女子の目と耳を釘づけにする斎藤マジックなのだ。
そのマジックはCMでも効果抜群だ。たとえば斎藤が出演している『グラムールセールス』のCM。降り注ぐ雨の中、黒いハイネックを着て、ちょっと口元半開きの斎藤が、スローモーションで濡れたままスマホを見つめている。次の場面では黒いスカーフをなびかせてやっぱり画面を見つめる。これは、雨の日も風の日も買い物ができることをアピールしてるのだが、斉藤は何も言わなくても「言いそうな口元」だけで視聴者を惹きつけてしまう。
また、強め炭酸水『ウィルキンソン』のCMでは、なぜかモヒカン頭のヘビメタ白熊とカタカタカタと紙相撲(紙ボクシング?)の真っ最中。もちろん熱中のあまり口はちょっと開き気味。結果、白熊に敗北し、ふたりはぐいっと炭酸を飲み干すのである。さらに野菜たっぷりの『カップヌードルライトプラス』CMでは、畑でつなぎルックの斎藤が、野菜のうまさを歌でアピール。このCMではうまいだろうと主張するの「う」のあたりで空気がふっと抜ける口の開き具合がミソだ。
とにかく斎藤工の口元に勝るセクシーなし! 思えば、『医師たちの恋愛事情』では、もっとも真剣な演技をするオペ中は、マスクでその口元は隠れているのだった。一番見たい口元が隠されてファンはじりじりしているはず。罪なドラマですな。