スポ根漫画の金字塔である「巨人の星」(原作・梶原一騎、絵・川崎のぼる)の連載が「少年マガジン」で始まったのは、1966年の春でした。初回に長嶋茂雄の入団会見のシーンがありますが、それは1957年のこと。長島に魔送球をぶつける星飛雄馬は、たぶんこのころ小学4~5年生。ということは、いまは68~69歳ぐらいで、プロ野球OBで言えば、田淵幸一、星野仙一、衣笠祥雄、堀内恒夫あたりと同年代です。意外と若いですね。
引き続き、雑誌の初出の年とその時の設定年齢をもとに、現在の年齢を推定してみましょう。思ったより年配なのが、「天才バカボン」(作・赤塚不二夫)の主人公であるバカボンのパパ。1967年4月に「少年マガジン」で連載がスタートしたときに、のちに主題歌でも歌っていたように41歳でした。それから48年たって、今は89歳ということになります。きっとお元気でいらっしゃることでしょう。バカボンは推定58歳で、さっきのヒロシや京子ちゃんと同年代です。
同じように、今は58~59歳という計算になるのが、「ドカベン」(作・水島新司)の山田太郎。「エースをねらえ!」(作・山本鈴美香)の岡ひろみや、「いなかっぺ大将」(作・川崎のぼる)の風大左衛門も、同い年かひとつ下ぐらいです。このあたりの面々と、ヒロシと京子ちゃんとバカボンが同じ中学にいたと想像すると……頭が混乱しますね。
「ドラえもん」(作・藤子不二雄)の野比のび太は、もうちょっと年下で、今55歳ぐらい。「キャンディ・キャンディ」(原作・水木杏子、絵・いがらしゆみこ)のキャンディス・ホワイト・アードレーは、今52歳ぐらい。今もあのままのファッションなのでしょうか。
アニメの中では若々しいままですが、連載開始の年を元にした計算だと、かなりのご高齢になるのが「サザエさん」(作・長谷川町子)の登場人物の面々。サザエは90歳を超えていることになり、カツオやワカメも70代後半、波平はもしご存命なら120歳以上です。
言うまでもなく、それぞれの作品世界やキャラクターを冒涜する意図はまったくありません。「ああ、みんなそろそろ60歳か。人生、いろいろあっただろうな。孫もいるのかなあ」などと思うことで、あらためて親近感を覚えようという試みです。長い付き合いのキャラだからこそ、しかも、自分が年齢を重ねたからこそ楽しめる大人のお遊び。これからもいろんなキャラたちと、大人同士の味わい深いお付き合いを続けていきましょう。
【8月30日追記のお詫びと訂正】
申し訳ありません! 本文中のキャンディス・ホワイト・アードレーの”実年齢”ですが、物語の舞台が20世紀初めで、彼女が看護婦になったときに第一次世界大戦が起きていることなどから、現在もご存命なら115〜116才と推測されます。各方面にご迷惑(?)をおかけいたしました。お詫びして訂正します。