一同「碧志摩メグちゃんと一緒だー!」
おの「たしかにこれは一緒ですよ、ポーズとか。一緒ですけど、これは男性誌で、男性が見るもので、そういうグラビアっていうお仕事としてやっているものであって、メグちゃんはやっぱり私と違ってみんなから好かれなきゃいけない」
ヒロミ「おのののかちゃんだって、みんなから好かれなきゃダメだろよ」
ミッツ「あなたはこれでさ、エロを武器にさ、有名になったことでさ、ビールの売り子さんだってすごい有名になったわけじゃない」
(※おのののかには、東京ドームのバイト経験から、「美人すぎるビール売り子」というキャッチフレーズがある)
阿川「例えば、おのさんが志摩市からキャラクターになっていただきたいんですけど、って言われたら? 私はエロですダメです?」
おの「そんなことはない。その時は、その時に応じたお洋服を着て、ちゃんと隠すとこを隠して。こんな格好では出ない……」
録画を見た私は、「なにこの集団いじめ」と思った。特に阿川佐和子の意地が悪い。グラビアでエロを売った者は、グラビア外でもエロを売り続けなければならないのか。番組スタジオのおのののかは、肌の露出の少ないピンクの服を着ていたのだが、それでもエロと離れたもの言いは許されないのか。
芸能界自体、差別されているのに、その中でまたエロ差別をしている。「萌えもエロも下等なんだよ」とはさすがに誰も口にしなかったが、要はそういう空気が場を支配しているように見えた。
ただ、もちろん、番組は番組だ。萌えなりエロなりを一段下のものとして見る「視聴者のボリュームゾーン(≒中高年)」を意識して、阿川佐和子を筆頭にあえてその代弁を出演者たちがしていたのかもれない。また、このようにみんなから叩かれれば、おのののかを擁護したくなる感情が視聴者の中で芽生える。もしかしたら、おのののかを売り出すために、出演者とスタジオが一体となって、集団いじめのような演出をしていた可能性もある。
けれども、である。番組でおのののかが言っていた内容自体はすこぶるまともだったのだ。要するに、彼女は一貫して、エロには合う場と合わない場があると主張していた。エロのTPO(時と場所と場合)をわきまえようと意見していたのだ。
そこを誰一人拾わなかったばかりか、「おのののかちゃんだって、みんなから好かれなきゃダメだろよ」とピント外れなことを言う者もいる。彼女は、公認キャラという公的コンテンツと、グラビアアイドルという特定顧客層向けの商業コンテンツとの違いを説明していたのに、おっさんちっとも聞いていない。ヒロミに関しては、素で分かっていない気がしたのだが、本心はどうなのだろう。
そして、なによりも私がこの件ですごく気になったのは、当該番組の模様をいち早く伝えたデイリーニュースオンラインのコラム〈おのののか“海女萌えキャラ”批判に総ツッコミ「エロで稼ぐ人が何言ってるんだ」〉だ。結語がこうなっている。
〈ナイスバディを武器にグラビア界のエースとして君臨中のおのののか。バラエティやトーク番組に出演する際は、自分の立場を意識した発言にも心掛けたいところだ〉
軽快なタッチでまとめたつもりなのだろうが、まさかの上から目線エロ蔑視である。番組内容の解説が巧みだっただけに、最後にびっくりした。これもネット読者のボリュームゾーンに合わせたということかもしれないけれど、実際に合ってないから、少なくとも私は違和感膨大だから、そこんとこよろしくお願いしたいと思った。