――これまで出演NGの方はいました?
松本:ほとんどがNGです。20組あたって1組くらいしかOKはいただけておりません。でも逆に、「ハシゴ酒なら出ます」と言ってくれる方もいるんです。まだ公にはできませんが、今もっともワイドショーを賑わせている人とも話が進んでいます。ゲストをキャスティングする際の基準としては、一つは「この人の話を聞きたいな」という明確なトピックがあること。もう一つは、「ダウンタウンとしゃべっているのを見たことないけど、見てみたい人」。綾小路きみまろさんの時に名前の出てきた立川志の輔さんは、ぜひお招きしたい方のうちの一人です。あとは妄想レベルですけど、橋下徹元大阪市長。ダウンタウンの二人も関西出身なので、大阪都構想について議論するところは見てみたいな、と。
――アンタッチャブルの柴田英嗣さんが登場した時は、「実は逮捕されていた」という告白が話題を集めました。テロップでは「逮捕ではなく事情聴取」と出ていましたけど、あの話題に触れることについて事務所も本人も承諾済みだったんですか?
松本:いいえ。事前の打合せでは、その話は一切できないと言われていたんです。だから制作側としては、相方のザキヤマ(山崎弘也)さんに対してどういう思いを抱いているのかということを掘り下げていこうと思っていました。でもダウンタウンと坂上さんに挟まれると物凄いプレッシャーなんでしょうね。浜田さんから「何で休んでたん?」と言われて、柴田さんも何か面白いことを言わないといけなくなった。
実際には逮捕ではなく事情聴取だったんですけど、逮捕されたと言っちゃったほうがわかりやすいし盛り上がると考えてくれたのでしょう。腕のある柴田さんがリップサービスで言ってくれたんだ、と思っています。ただ、事実と違ったことをそのまま放送はできないので、事務所と確認をしたうえで、事情聴取だったというテロップを入れました。
――『ハシゴ酒』内での坂上さんの役割というのは?
松本:制作側として切り込んでほしい話は、ダウンタウンではなく坂上さんに事前にお願いしています。坂上さんがある程度コントロールしながら、ダウンタウンには自由に入ってもらう。普通はあの距離感でダウンタウンにはなかなか近づけませんが、芸歴はダウンタウンよりも長い坂上さんなら、まあ仕方ないという空気もあります。両者の距離感が絶妙だから、次の店に行く道中でも話が盛り上がります。