ライフ

自らの行い顧みる「内観法」 自分の傲慢さを知ることも

 昨年末、夫・船越英一郎(55才)から離婚を突きつけられたと報じられた松居一代(58才)。悩んだあげく彼女が駆け込んだのが、「内観法」と呼ばれる心理療法を受けられる長野県のある宿泊施設だった。内観法について書かれた『お母さんにしてもらったことは何ですか?』(サンマーク出版刊)の著者で、実際に指導も行う蓮華院誕生寺(熊本県)の内観研修所長、大山真弘さんが教えてくれた。

「職場の人間関係、夫婦、親子関係の悩みをどう解決したらいいのか明確な答えが見つからず、人は一体何のために生きているのか、自分の生き方は果たしてこれでよかったのか、大きな壁にぶつかったことはないでしょうか? そんな人生に迷える時、心を整理してくれるのが、内観という自己観察です」(大山さん)

 昨年春に内観を受けた桜庭郷介さん(仮名・26才・男性)は、内観を機に非行から立ち直ることができた。

「父親のことを馬鹿にし、母親のことは憎んでいましたが、盗みなどをして施設に入っているときに、内観で更生した人の話を聞き、また、やってみないかと誘われたこともあり、人生をやり直したいと思って、施設を出てすぐに内観のできる場所へ行きました」(桜庭さん)

 そこで桜庭さんは、自分が両親からどれだけ愛情をかけて育てられてきたか、自分が弟にいかに嫉妬していたかなどに気がついた。

「内観を終えて、初めて、両親に謝ることができました。人を信じられなかった自分が、こんなにも変われるとは思ってもみませんでした」(桜庭さん)

 夫婦関係に悩んで駆け込む人も多い。浅井夕子さん(仮名・45才・主婦)は息子とのトラブルや夫との不仲が原因で参加した。ただし最初は、スムーズにはいかなかった。

「夫は長年、鬱病を繰り返し、経済状態は悪化し、正常な家庭を営むことができていませんでした。

 私はそんな夫の病気を、彼の性格が悪いからだと思っていました。内観を始めても、夫との記憶については、1、2回探ってみても、イライラするばかりで、内観どころではありません。思い出せるのは、私がしてあげたことばかり。してもらったことは、全く頭に浮かんできませんでした」(浅井さん)

 ところが、3度目に試みたとき、それまでと違う感情が芽生えてきた。

「毎日、ご飯が食べられて、暖かい家で過ごせているのに、夫の何が不満なのかを3つの質問をしながら調べていくと、それが不思議なことに消えていきました。考えているうちに、私自身におごりや思い込みや誤解があるから、不満なのだと気がつきました。そう気づいたときには、涙がこぼれ、体が楽になりました」(浅井さん)

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン