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松井稼頭央 目標は「あと351本の日米通算3000安打」

「毎年、優勝に向かって戦っていけるのは嬉しいことですよね。たとえ前年に最下位だったとしても、『今年は優勝するぞ!』とみんなで誓い合い、再びその目標に向かって挑戦できる。極端な言い方かもしれませんけど、これってプロ野球というか、スポーツの世界だけの特権だと思うんです」

 個人的な目標を問うと、「大きな怪我なく1年間プレーすること」、そして「日米通算3000安打」と答えた。

「あと351本。これは今の僕にとって、果てしなく遠い数字です。若い頃の300安打と今とでは、数字の重さに雲泥の差がありますから」

 3000安打。それは過去に張本勲とイチローしか達成したことのない大記録だ。

「そこにはどんな景色が広がっているのか。結果は別にしても、そこを目標にチャレンジしていきたい。そして達成するためにはある程度、『あと何年で何本』と逆算していくことも必要になると思います。今やらないと、次につながっていかない。だからこそ今年は頑張りたい。必死に、全力でプレーしたい」

 松井ほどベテランという言葉の似合わない選手はいない。これからもチャレンジャーとして、大きな目標に挑んでいく。

◆まつい・かずお/1975年、大阪府生まれ。1994年、PL学園高からドラフト3位で西武に入団。2002年にスイッチヒッターとして史上初のトリプルスリーを達成するなど常に主軸として活躍。2004年からはニューヨーク・メッツに移籍、日本人初の内野手メジャーリーガーに。2007年、コロラド・ロッキーズ在籍時にはワールドシリーズに出場。2009年、ヒューストン・アストロズ時代には日米通算2000安打達成。2011年から東北楽天でプレーしている。

取材・文■田中周治 撮影■本誌・藤岡雅樹

※週刊ポスト2016年3月18日号

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