地方局を辞めた女子アナというと、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)でアシスタントをしていた読売テレビの元アナウンサー、川田裕美を真っ先に思い浮かべるかたも多いだろう。「全国ネットのレギュラーをもっていたのに、なぜフリーに?」という声が局内ではもちろん、視聴者からもあがっていたが、東京でチャレンジしてみたい…という彼女の決心は固かった。
が、彼女のレギュラーは、古巣・読売テレビのメインMCとTOKYO FMのラジオがあるだけ。あとは、“大阪のオバチャン”的なキャラクターと、『ミヤネ屋』という“財産”で、もらっているバラエティーばかり。確かに読売テレビの局アナ時代にはやれなかった仕事ばかりだが、年齢的に難しいところにきていることも事実だろう。
読売テレビといえば、『秘密のケンミンSHOW』や『ウェークアップ!ぷらす』と同局全国枠の中でもメイン中のメインである2本に出演しながら、わずか2年で退社を決めた増井渚が“話題”だ。
せっかく採用し、育てようと全国ネットのレギュラーや冠番組をもたせたのに、こんなに早く辞められてしまった読売テレビは、たまったものではなかったと思う。
が、大阪府出身で大学も関西だった川田と異なり、神奈川県出身で慶應義塾大学卒の増井が“東京”を拠点にしたかった気持ちはわからないでもないし、準キー局に合格したアナウンサーは、在京キー局の最終まで残っていた可能性も高い。僅差で在阪局に行くことになった増井渚が、「私だって、全国ネットで勝負できる」と思うのは、当たり前かもしれない。
そして、フリー女子アナの“旬”を考えるのであれば、局アナとしての“いろは”をキッチリ学ばせてもらって、25才前にフリーになった増井渚の“選択”は、ある意味、正しいようにも思う。
局アナ出身のフリーアナで、現在唯一、全国ネットの帯番組でレギュラーをつとめているのは元・日本テレビの夏目三久だけ。不本意な辞め方ではあったが、彼女が決断したのは26才のときだった。
局アナである女子アナの「30才定年説」は、あまりにも有名だが、フリーの女子アナが勝負できる年齢は、もっと下の27才ではないかと私は思う。
この文脈でいうと、今月31才になる加藤綾子は、もしかしたらフリーになるのが遅かったのかもしれない。局に所属する女子アナもフリー女子アナも“総活躍”とはいえない昨今。自分の可能性を試したいのなら決断は早いに越したことはないのかもしれない。