実は4月から、同社のアナウンサーで、番組タイトルがカタカナに変わってからずっとメインを張っている佐藤裕二がスポーツコーナーを担当。テレビ朝日系列の後輩アナが尊敬するスポーツアナとして有名な佐藤アナが実況中継のようにドラゴンズのVTRにつけるナレーションは、「負けた試合でも勝ったかのように聞こえる」と評判だ。
名古屋の地元情報に特化した、デパ地下や“行列グルメ”、新しい商業施設などの情報にも数字があり、曜日毎に独自の展開をしている7時台の芸能コーナーも視聴率を右肩上がりにさせている要因のひとつだ。
そして大阪では、「不動の1位」を突っ走り、「関西に暮らす人々を、朝、元気に送り出す」をコンセプトにしているABCテレビの『おはよう朝日です』がある。
あの宮根誠司が局アナ時代、担当していたことでも有名な同番組は、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた95年初頭は、視聴率で惨敗していたのだという。
地元のテレビ局だから、阪神淡路大震災のニュースには強さを発揮しそうなものだが、「やはり、取材力で在京局には敵わなかった」とスタッフの一人は振り返る。
そこで、同年4月より、コメンテーターを導入。いまでも、野々村真、たむらけんじ、石田純一、東貴博、井上公造氏ら有名どころを揃え、もちろん、阪神タイガース推しだし、芸能コーナーにも定評がある。
もっとも視聴率が良かった頃には、平均で15%を超えていたというのだから凄い。しかも、メインキャスターが、宮根誠司アナ(94年~)→浦川泰幸アナ(10年~)→岩本計介アナ(15年~)と交代しても、視聴率が下がらなかった。いかに同番組が“関西の朝”に浸透しているかがわかろう。
…と、大阪、名古屋、そして東京と、朝帯の視聴率でテレビ朝日系列の番組が絶好調なのである。
実は九州朝日放送の『アサデス。KBC』も視聴率ではトップ。同番組も、おすぎ、石原良純、松村邦洋ら有名どころをコメンテーターに据え、リポーターにはなんと指原莉乃が出演している。もちろん、野球はホークス推しだ。
番組視聴率は関東地区の数字ばかりが取りざたされるが、準キー局やローカル局が制作する地元密着型の朝帯の数字や番組内容、取り組み方には、朝ワイド、昼ワイドのヒントがたくさん隠されている。
テレビ朝日系列の朝ワイドが、カトパン去りし『めざましテレビ』に完全勝利する日もそう遠くないのかもしれない。