国際情報

韓国の執拗な日本攻撃の原因は植民地支配より深い根がある

ソウル・明洞の街並み(写真:アフロ)

 歴史的なイベントとなった米オバマ大統領の広島訪問にこぞっていちゃもんをつけた韓国メディア。なぜ、彼らは米国大統領の行動にまで干渉するのか。拓殖大学教授で韓国出身の呉善花氏が解説する。同氏は『「反日韓国」の苦悩』(PHP研究所)や『侮日論』(文春新書)などの著書がある。

* * *
 朝鮮日報の社説(5月12日付)は、〈原爆の悲劇は日本の帝国主義が起こした戦争と蛮行の結果〉と断じ、〈韓国は日本の最大の被害者だ…オバマ大統領には、太平洋戦争のシンボル的な場所である広島で日本の戦争責任を指摘し、その悲劇の原因を作ったのが誰なのか、その真の被害者は誰なのかを明らかにしてほしい〉と結んだ。

 中央日報の同日付社説も〈オバマ大統領の広島訪問は日本の被害者のイメージばかり浮き彫りにするおそれがあり、本当の被害者である韓国・中国など周辺国に誤ったメッセージを送りかねない〉と主張した。

 一連の言説は、「反日」が韓国の“アイデンティティ”であることを如実に示した。侵略国家・日本は「悪の塊」であり、原爆投下は日本に与えられた「天罰」ゆえ、日本人は常に土下座して謝り続けないといけない。それなのに日本は侵略戦争を一向に反省せず、「極右」の安倍政権は憲法改正で日本を戦争のできる国にしようと企んでおり、世界中から非難されねばならないこれが韓国メディアの掲げる主張である。

 それにしてもなぜ、韓国はここまで執拗に日本を攻撃するのか。多くの日本人は「日本帝国主義による植民地支配」が理由と考えるが、さらに深い根をもつ。

 韓国人は「反日主義」や「反日感情」以前に伝統的な「侮日観」を抱いている。侮日のルーツは「中華思想」だ。14世紀末に成立した李氏朝鮮(李朝)は明の皇帝に冊封を仰ぎ、中華秩序に組み入れられた。李朝は明にならって“中国化”を進め、やがて自らを中国と文化的同質性をもった「小中華」だと意識するようになった。

 彼らにとって地理的・文化的に中国から離れた日本は野蛮な夷族の地であり、なおかつ日本人は文化的に程度が低く侵略的で、蔑視すべき民族だと考えていた。実際、近代以前から朝鮮半島では日本人を「倭人」「蛮酋」などと蔑み、現代でも「日本奴」(イルボンノム=日本野郎)、「猪足」(チョッパリ=豚の足のような足袋を履く日本人)といった差別用語を日常的に使っている。

 国土の狭い朝鮮で本家・中国よりも「純化」された小中華主義により、李朝の日本蔑視はさらに強化された。同時に善と悪を明確に区別する朱子学により、野蛮な日本の行動をすべて「悪・不正義・侵略」とみなす考え方が浸透した。

 同時期の日本では文化の多様性が育まれたのに対し、朱子学のみを信仰する李朝は中央集権化を推し進め、言論や思想は硬直化した。オバマ氏の広島訪問に、韓国メディアが判で押したような主張をするのも、李朝以来の“伝統”といえる。

関連記事

トピックス

千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン