高嶋:正統派にしたほうがいいかなとは思いましたけどね、変化球ではなく。いろんなことを考えるんですけど、やっぱ大河ドラマだよなと、常に自分をそこに戻さないといけない感じがして。25年前に『太平記』をやった時の雰囲気ってどうだったかなとか。
あのときの緒形拳さん、フランキー堺さん、根津甚八さん、萩原健一さん、真田広之兄さんとか、偉大な大先輩が出ていらっしゃって、どういう風に演技を作っていかれたか、それと比べて、今の役作りは正しいのかと、常に考えますね。
――ところで真田信尹役の栗原英雄さんとは、休憩時間に歌を歌うそうですね。
高嶋:ぼくの大好きな劇団四季さんのミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』に栗原さんは出演していて、ぼくが劇中の歌を歌うと、栗原さんが踊ってくれるんです(笑い)。
初日にして、「なんでこんなに仲がいいんだ2人は」って現場で言われて。氏直(細田善彦)も目をパチクリして、「俺は息子なのに、なんで信尹さんと父親が仲良くなってるんだ。もっと俺ともコミュニケーションをとってくれ!」と言うくらい、2人で遊んでいましたね(笑い)。
氏直とは、撮影以外の時間のすごしかたを話します。大河ドラマというのは、1か月くらい撮影の間があくこともあって、氏直が「撮影がない日は何して過ごしたらいいんでしょうかね」って言うから、「旅行でもしたら?」って言ったんです。
1か月後に氏直に会ったら「アメリカにホームステイしてきました!」って(笑い)。「今日撮影終って、また1か月あくけど、次は?」と聞いたら、「また海外行こうかな」って言ってました(笑い)。
【高嶋政伸(たかしま・まさのぶ)】
1966年10月27日生まれ。東京都出身。1988年、連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』(NHK)にてデビュー。主な出演作は、ドラマ『HOTEL』(TBS系)『こちら本池上署』(TBS系)シリーズなど。『沈まぬ太陽』第2部(第9話~)に出演。毎週日曜午後10時からWOWOWで放送中。
◇NHK大河ドラマ『真田丸』
毎週日曜、NHK総合20時、BSプレミアム18時放送。後世に真田幸村の名で「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と評されることになる、真田信繁の成長物語。三谷幸喜脚本。22回~24回(6月5日~19日)の3回にわたって、北条軍との戦いが描かれる。