「以前、劇場脇に『歌舞伎稲荷』がまつってあった場所に今は29階建ての歌舞伎座タワーが立っています。ビルが邪魔でお稲荷さんが降りられずに怒っているのではないか、という声もあります」(前出・歌舞伎関係者)

 実は、歌舞伎座にまつわる伝説が囁かれたのは今回がはじめてのことではない。ベテラン演芸記者が解説する。

「約70年前、先代である三代目の歌舞伎座が解体されたときにも、今回同様、大物俳優が次々と鬼籍に入りました。十五代目市村羽左衛門(享年70)、十二代目片岡仁左衛門(享年63)、七代目松本幸四郎(享年78)、七代目澤村宗十郎(享年73)、六代目尾上菊五郎(享年63)と当時を代表する大名跡でした。

 中でも、仁左衛門の場合は、戦後の食糧難の中、待遇の悪さに恨みを募らせた使用人に斧で一家が惨殺されるという凄惨なものでした」

 さらに、梨園関係者は「成田屋にはもうひとつの宿命がある」と言う。

「市川團十郎率いる『成田屋』こと市川宗家では、約350年の歴史の中で、歴代の團十郎が多くのトラブルに巻き込まれてきました。

 初代團十郎は舞台上で客が見守る中、端役の役者に刃物で刺されて命を落としました。二代目は妾と弟子が駆け落ちするという醜聞に見舞われ、三代目と六代目は22才の若さで病死し、八代目は原因不明の謎の自殺を遂げました。『劇聖』と称された九代目は私生活では借金に苦しみました。

 海老蔵が理想とする祖父である十一代目は襲名わずか3年後、悲願の演劇界改革をとげることもかなわぬ中、無念の死を迎えました。そして十二代目の父が66才の若さで…そのことからいつしか、『團十郎の名には試練もついてくる』と言われはじめたのです」

 そうした歴史を知る若き日の海老蔵の口癖は「おれは長生きしない」。

 だからこそ無茶な酒の飲み方をして暴行事件にも繋がったのだが、麻央と結婚して以降はガラリと人が変わったように、不摂生を改め、健康に気を使ってきたという。

「團十郎の後継者」に課せられた試練は重い。

※女性セブン2016年6月30日号

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン