山尾:増税できない以上、そのお金でやるはずだった社会保障の充実はできないと言うなら筋が通ります。
稲田:できないとは言わない。
山尾:今、見つけられないならどうして参院選後に見つけられるんですか。
稲田:だから改革をして、いろんな知恵を総動員して財源を生み出すんです。財源もないのにうまい話をすることはしません。
──予定時間を過ぎても熱い議論は続き、対談は60分に及んだ。最初こそ「アットホーム」だったが、主張の異なる政策課題となると一転、激しくぶつかった2人。対談終了後は、ふたたび頬を緩めて握手を交わした。
稲田:今日もヒートアップしちゃったね(笑い)。でも、普段は仲よしなんですよ。
山尾:そうなんです。普通の話題なら話が合うと思うけど、政策のことはお互いにどうしても引けなくなる。
稲田:選挙が終わったら、1回、ご飯を食べなきゃね。
山尾:ええ。選挙前にあまり仲よくなると困るから、選挙後にぜひ(笑い)。
【稲田朋美(いなだ・ともみ)】
早稲田大学卒業後、1985年、弁護士となる。2005年、衆議院選挙に自民党公認で福井1区から出馬し初当選。2012年、第2次安倍内閣で、内閣府特命担当大臣(規制改革・行政改革等)に就任する。2014年から自民党の政務調査会長。「女性初の宰相」にもっとも近いと評される。政治信条は「伝統と創造」。家族は弁護士の夫と大学生の1男1女。
【山尾志桜里(やまお・しおり)】
東京大学卒業後、2004年に検察官となる。2007年退官。2009年の衆議院選挙に、民主党公認で愛知7区から出馬し初当選。現在は民進党の政務調査会長。小学生時代にミュージカル『アニー』で主役を務めたことも。政治信条は「大切なことは目に見えない」(サン・テグジュペリ『星の王子さま』より)。家族は自営業の夫と5才の長男。
※女性セブン2016年6月30日号