生前退位のご意向を示されたと報じられた天皇陛下。もしこのご意向が果たされれば、数年以内に皇太子さまが新たな天皇に即位される。それはつまり、「皇后・雅子さま」の誕生を意味する。
2004年に適応障害による療養生活に入られてから、雅子さまのご快復具合は浮沈を繰り返してきたが、ここ数年は明らかに上向いてきている。その上昇気流は、陛下が生前退位のご意向を強められるのにシンクロしているように見える。
陛下が心臓のバイパス手術を受けられた2012年、雅子さまのご活動は、まだ宮中でのご会釈といった公務に限られた。それが、翌2013年4月、オランダ国王の即位式に出席され、11年ぶりにご夫妻揃っての海外公式訪問を果たされた。同年10月には、10年ぶりに『全国障害者スポーツ大会』の開会式に出席された。
「今思えば、陛下の退位へのお気持ちは、その時期に三者会談(※天皇陛下、皇太子さま、秋篠宮さまが定期的に開いていた意見交換の場)を通じて皇太子さま、そして雅子さまへと伝わり始めたのではないでしょうか。以来、雅子さまに変化が見られるようになっていきました」(東宮職関係者)
◆異例だった直接のご下問
2014年7月には歴代天皇を祀った武蔵陵墓地を12年ぶりに参拝。同月、伊勢神宮を20年ぶりに参拝された。8月になると、12年ぶりに全国高校総体の競技を観戦され、10月末には国賓として来日したオランダ国王夫妻の歓迎行事に5年ぶりに出席され、同日夜に行われた宮中晩餐会への参加は11年ぶりとなった。
昨年7月に2年ぶりの海外となるトンガ訪問を無事果たされると、11月には12年ぶりに秋の園遊会に出席され、今年4月の春の園遊会にも連続して出席された。ほぼ同じ時期に、雅子さまがもっとも苦手とされるといわれていた務めの1つでもある皇居・宮中三殿での宮中祭祀に7年ぶりに臨まれ、美智子さまの代役を担われた。
雅子さまの公務への邁進ぶりからは、単なる体調のご快復だけでは言い表すことのできない、何か鬼気迫る責任感のようなものが感じられる。そして、その覚悟は両陛下にも充分伝わっていたようだ。
「4月中旬頃、両陛下から雅子さまに“最近の体調はどうですか?”といった問いかけがあったといいます。それまでも両陛下はことあるごとに雅子さまのご体調を気にかけていらっしゃいました。ですが、療養中ということもあり、余計なプレッシャーを与えてはいけないと、ご様子をうかがうのは常に関係者を介してで、直接のご下問なら極めて異例のこと。そんな突然のことに、陛下と美智子さまに“もう大丈夫です”と雅子さまは告げられたそうです。その力強いお答えに両陛下はいたく安堵されたことでしょう」(宮内庁関係者)
天皇陛下が生前退位のご意向が示されたとされている5月以降、雅子さまは宮中での公務も含め、これまで以上にお出ましが多くなった。6月には、千葉、岩手と宿泊を伴ったものを含めた2週連続の地方公務が13年ぶりに実現した。
「最近では、宮内庁担当記者に配布されるスケジュールを記した文書に、雅子さまが皇太子さまとご一緒にお出ましになる予定のものには『(両)殿下』と記載されるようになりました」(皇室記者)