「俺は人に嫌われているとずっと思ってたからさ。一時は、人が俺をバイキンみたいに見ている時代もあったから。でも、この番組では行く先々で『頑張って』と気持ちよく迎えられて、気づけばもう6年も走っているんだよ」
走っていて、気づいたこともある。
「日本という国は、全国どこに行っても被災地だということ。山古志に行こうが、雲仙、神戸、奥尻を走ろうが、どこも被災地なんだ。だから、日本人って強いなあと思う。外国なら略奪、暴動が起きているでしょう。でも、日本人は、我慢して、整然と生きている。たいした民族だなと思う」
◆ひの・しょうへい:1949年、東京都生まれ。12歳から劇団「こまどり」に所属し、ドラマ『少年探偵団』などで活躍。1973年、大河ドラマ『国盗り物語』の秀吉役で注目を浴び、テレビ・映画に多数出演。主なドラマ出演は『新・必殺仕置人』『長七郎江戸日記』『警視庁南平班~七人の刑事~』『池波正太郎時代劇スペシャル 顔』など。2011年に始まった『にっぽん縦断 こころ旅』では旅人を務め、自然体の人柄で人気を集めている。
撮影■橋本雅司 取材・文■一志治夫
※週刊ポスト2016年10月7日号