国内

両陛下、50年以上銀食器を大切に 新品交換提案をお断り

皇族のかたがたがご通学に使われたランドセル

 NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」が人気だ。皇后美智子さまが使用した子供服専門店「ファミリア」を作った坂野惇子さんがモデルとなっている。それでは、いわゆる「皇室御用達」のものとはどういったものなのだろうか?

 1959年、美智子さまの“嫁入り道具”として銀食器一式を納めたのは、明治13年創業の日本初の銀製品専門店・宮本商行だった。御用達として宮内庁に出入りが許される一方、美智子さまのご実家である正田家とも深いおつきあいがあったという。

「ご結婚前に宮内庁からご用命があり、皇太子殿下とペアで銀食器をお納めいたしました。その際に、美智子さまの食器にはお印として白樺を彫刻いたしました」(宮本商行営業第一部課長・庄崎恵助さん)

 以来、両陛下は50年以上にわたって、その銀食器を大切に使い続けられたという。

「銀は素材の性質上、長年お使いになっているとナイフの刃が抜けたりスプーンの柄が曲がったりします。それでも両陛下は買い直しはせず、数年に1度、宮内庁からのご用命でお直しを承りました。

 白樺のお印もほとんど消えてしまわれていたので、『私どものほうで新品とお取り替えいたします』とご提案したこともあるのですが、女官長を通じて美智子さまから『この食器は、陛下と一緒になった時の大切な思い出の品ですので』とのお返事がありました。これほど年月をかけて使い込んでくださるかたは他にいらっしゃいません」(庄崎さん)

 皇太子さまをはじめとする皇族のかたがたが学習院初等科へのご通学に使われたランドセルを製作した老舗鞄メーカー・大峽製鞄専務取締役の大峽宏造さんもまたこう語る。

「みなさま、とても大切に使ってくださって、卒業までの6年間、修理の依頼は一度もありませんでした。皇太子さまがご入学の際には、『特別にあつらえますか?』と尋ねたところ、先方から『みなさんと平等に同じものを』と返答があったと聞いています」(大峽さん)

 愛子さまのランドセルは、大峽さんが雅子さまとご対面するきっかけにもなった。

「愛子さまのランドセルは私が直接、東宮御所までお持ちして女官さんにお渡ししました。 後日、学習院初等科へ伺ったら、偶然、雅子さまもいらしていて。お付きの女官さんが『大峽さん』とお声がけくださったので、そこで愛子さまのランドセルを作ったことをお伝えすると、笑顔で『そうですか、ありがとうございます』と、おっしゃってくださいました」(大峽さん)

※女性セブン2016年11月3日号

関連記事

トピックス

山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
ロシアで勾留中に死亡したウクライナ人フリージャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさん(Facebook /時事通信フォト)
脳、眼球、咽頭が摘出、体重は20キロ台…“激しい拷問”受けたウクライナ人女性記者の葬儀を覆った“深い悲しみと怒り”「大行列ができ軍人が『ビクトリアに栄光あれ!』と…」
NEWSポストセブン
谷本容疑者(35)の地元を取材すると、ある暗い過去があることがわかった(共同通信)
「小学生時代は不登校気味」「1人でエアガンをバンバン撃っていた」“異常な思考”はいつ芽生えたのか…谷本将志容疑者の少年時代とは【神戸市・24歳女性刺殺】
NEWSポストセブン
大谷の「二刀流登板日」に私服で観戦した真美子さん(共同通信)
「私服姿の真美子さんが駆けつけて…」大谷翔平が妻を招いた「二刀流登板日」、インタビューに「今がキャリアの頂上」と語った“覚悟と焦燥”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン