スポーツ

野村克也氏 「大谷にやられっ放しのパの連中に恥はあるか」

最近の試合を観るとため息ばかり出るという野村克也氏

「生涯一捕手」を標榜した野球評論家の野村克也氏は、今のプロ野球界に大きな危機感を持っているという。新刊『野村の遺言』も話題となっている野村氏が、プロ野球界の現状に物申す。

 * * *
 選手として26年、監督として24年。南海時代は打倒・巨人を掲げ、日本シリーズで長嶋茂雄・王貞治らと鎬を削り、監督としては弱小といわれたヤクルトを3度の日本一に導いた。1935年生まれ、81歳になる私の人生は、プロ野球の歴史とほぼ重なる。

 そんな私が最近、試合を観ているとため息しか出ない。「なんだこれは」というシーンばかりで、「何を考えているんだ」とボヤいてばかりいる。精神衛生上、まことによろしくない。

 例えば今年の日本シリーズは、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島と、二刀流・大谷翔平を擁する日本ハムの対戦となった。特に大谷はシーズン中、投手としても打者としても好成績を収め、投手ではプロ野球最速を更新する165キロをはじめ、160キロ台の速球を連発して話題をさらっていた。

 まあ、これはいい。情けないのはパ・リーグの連中だ。年間を通して大谷に二刀流で好き勝手やられるなど、プロとしては大失敗だし、論外である。私なら徹底的に大谷を研究して、攻略法を見出していると思うが……。

 私は、真のプロとは「恥の意識」を持つ者だと思っている。

 野球ではミスや失敗は必ず起こる。だからそれを恐れてはいけないが、「こんな恥ずかしい思いは二度としたくない」と「恥」に思って自分を戒めるからこそ、失敗をした原因を究明し、修正しようとする。

 それが自尊心を高め、問題意識を呼び起こし、自主性と自発性を促すことで、より自分を高めようとする原動力となる。それがプロ意識だ。大谷にやられっ放しという失敗を繰り返した今のパの連中に、「恥」の概念はあるだろうか?

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン