もう一人の常連が、“謎のホスト”と言われる40歳のコ・ヨンテ氏だ。
「彼はフェンシングでアジア大会の金メダルを取った元スポーツ選手です。引退後は事業を興してバッグのブランドを設立した。その事業資金を捻出するため、夜の街でホストとして働いたこともある」(同前)
コ氏を知る韓国人ホストが証言する。
「彼はルックスがよく話が上手で、店のトップとして多くの女性を虜にしていた。ホストとして働いている時、客として来た崔順実と知り合ったと聞いています。崔順実とは年の差があるのにフランクに話す仲で、年長者や客に対する礼儀を重んじる韓国では異例の関係でした。朴槿恵が大統領当選直後にコがつくったブランドのバッグを持ち歩いていたため、朴大統領との近さも話題になったこともあった」
崔氏は美へのこだわりが強く、青瓦台に美容医師を呼んで「特別なボトックス注射」を朴氏と一緒に受けていたという情報もある。国の重要な進路を決める秘線会議のメンバーの素顔には言葉を失うしかない。韓国政界に詳しいベテランジャーナリストの告発にはさらに驚く。
「秘線会議の議題の9割は政府の主要政策に関連することで、誰を閣僚にするかまで決めていた。朴槿恵が大統領就任直前に安倍首相が送った特使団と会見する前は、竹島に関して『韓国側から先に言及しない。日本が言及すれば笑顔で応じる』、慰安婦問題では、『“正しい認識が両国の発展の基本”と述べるのが望ましい』などという事前シナリオまで、崔順実らがチェックしていた」
ゴタゴタが続く日韓外交にも素人である崔氏が深く関与していのだ。政策ばかりか、国のシンボルまで彼女の掌中にあったとの話もある。ルポライターの姜誠氏が明かす。
「韓国は今年3月、中央省庁が使用するロゴマークを無窮花(韓国の国花)の文様から太極文様に変更しました。これは崔順実のお告げによる変更と言われています」
※週刊ポスト2016年11月18日号