「ゆず子は美人なのにそれを武器にせず、自尊感情も低い。同級生の弁護士相手に、“私は末端の人間だから”と言ったりする彼女を見ていて、“そんなに美人なのに?”と思ってしまいますが、彼女の状況を知ると、自信をなくしても仕方がないかもと思わずにはいられません」(内藤さん)
そんな状況にもかかわらず、彼女も子供たちも、どこかあっけらかんとしているのが救い。悲壮感なく、貧乏に立ち向かっていく姿は思わず応援したくなる。
続いては、『下克上受験』(毎週金曜22時~、TBS系)。両親ともに中卒、娘の成績はどん底。そこから最難関中学を目指すという、一見、荒唐無稽な話のように思えるが、実話のドラマ化。
「受験の常識では不可能な合格に向け、一緒に学ぶ姿勢は、親が娘の可能性を信じる『愛』に他なりません。ドラマでは、中卒に対する世間の評価が彼を娘の受験に向かわせましたが、現実には、自分の現状を学歴のなさに責任転嫁する親が、子供には高学歴を期待し、その期待で、子供が潰されることも。逆説的に、学歴や偏差値などの指標が、子供の可能性の前では幻想であると、気づかされますね」(内藤さん)
最後は、『A LIFE~愛しき人~』(毎週日曜21時~、TBS系)。アメリカで外科医として活躍していた沖田(木村拓哉)は、元恋人で親友の妻・深冬(竹内結子)の手術をするため、壇上記念病院に残ることを決めるが…。
沖田はアメリカ帰りの外科医だが、緊迫したオペシーンも、ハラハラする展開の連続だと、木村さん。
「病院を追われ、アメリカで修業して帰ってきたものの、恋人は親友と結婚。周りから孤立している状態にもかかわらず、沖田は困難なオペをまっとうする。それは目の前にある命を救いたいという一心から、というところにグッときます」(木村さん)
可能性が低いとわかっていても、何らかの手だてがあれば、決して諦めない姿に勇気をもらう人も多いのでは?
※女性セブン2017年2月9日号