つまりレモンをかけること自体が問題なのではなく、かける前に確認するという思いやりやマナーを持っているかどうかというのが巻の主張だったのだが、作法家の三枝理枝子さんも、これは「コミュニケーションの問題」だと共感する。
「誰かと一緒にお食事するときは、お料理の味そのものだけでなく、和の空気を大切にしながらおいしくいただこうという気持ちが重要です。そのためには、仲間内だったとしても『レモンをかけていいですか?』と確認することが大事。同様に、受け取る側も、いつもと違う食べ方になったとしても、『絶対に嫌だ』と突っぱねるのではなく、今日はこの人の言う方法で食べてみようかな、と相手の行為を思いやりを持って受け取ることが大事です。ないところに足していくのはいくらでもできるけれど、入れてしまったら引き算はできない。気をつけたいところです」
かけてしまったレモンは元に戻せない。ドラマの中でも、
「から揚げって洗える?」「から揚げにレモンするっていうのは、不可逆なんだよ」などというごもっともな意見が次々に飛び出し、思わずうなってしまった「かける派」も多かっただろう。
※女性セブン2017年2月16日号