これは明確な宣戦布告であり、先だって行なわれた金子七代目の完全否定と考えていい。原田派襲名式には40人近いマスコミが集まった。京都府警は130人以上の捜査員・機動隊を派遣し、事務所一帯を封鎖した。隣接地の住民さえ例外なくボディ・チェックを行なう厳戒態勢だった。
なにしろ原田派襲名式は六代目山口組の全面バックアップを受け、山口組の幹部たちが大挙してやって来る。後見人は六代目山口組の出身母体、弘道会の竹内照明会長(山口組若頭補佐)で、取持人、媒酌人、見届人にもずらりと六代目山口組の直参組長が並ぶ。
襲名式が終わり、山口組一行が帰路につくと、金子派の襲名式同様、私と実話誌のカメラマンは中に入ることができ、原田会長はじめ、幹部の撮影も許された。だが、仲介役になった他団体の幹部からは「特別に撮影させてやるのだから、こちらが正統と書くように。小さな扱いでは困る。写真も大きく掲載しろ」と注文された。交換条件なら飲めない。そのため本稿では写真の掲載を見送っている。
会場ではあちこちで「こっちが本物と書いてくれ」と言われた。金子派に「そちらがパチモンと言われていますが?」と当てたところ、「マスコミを使ってあれこれ言うつもりはない。相手がそう言うのなら、そう言ってると書けばいい」との回答だった。