国際情報

「喜び組」の定年は25才 口にするのも…な酷い罰ゲームも

「喜び組」は25才が定年

『喜び組』――その名前を耳にしたことのある人も多いだろう。1984年12月に、金日成国家主席に次ぐナンバー2だった金正日総書記(当時は書記)に「喜びを与え」「休息を確保する」目的で結成された組織。そもそもは、芸術好きの金正日の歓心を買うため、党幹部たちが北朝鮮では最高レベルとされた『万寿台芸術団』の踊り子などを接待係として、パーティーなどに動員したのが始まりだった。大阪生まれの在日朝鮮人で、踊り子からファーストレディーになった金正恩の母・高英姫もこれに所属していた。

『喜び組』は3つの部隊に分かれるとされる。

 歌や踊りを習得し、パーティーを華やかに演出する「歌踊組」、マッサージで慰労する「幸福組」、そして性的サービスを担当する「満足組」だ。北朝鮮の内情に詳しいジャーナリストの惠谷治さんは語る。

「メンバーは18才から25才までの選りすぐりの美女。朝鮮労働党の組織指導部第5課という人事を担当する部署の職員が、全国の学校を回って、美人学生を物色するのです。

 毎年、北朝鮮全土から選ばれる女子の数は約300人ともいわれます。それから厳格な健康診断を経て、最終的に50人ほどが選ばれます。『喜び組』に入る絶対条件は処女であること。そして金正日好みの細身ではあるけれど、丸顔でふっくらした顔立ちでなければいけません」(惠谷さん)

 最終的に『喜び組』に選ばれると「護衛司令部」という、金総書記の警護部に配属され、少尉として遇されることになる。給与なども将校レベルが保障され、一般の労働者の2倍から3倍といわれるが、それだけではない。

「このほか特別配給があり、祝日などには食料や布施など、一般市民には手に入りにくい品が両親など家族に届けられます。ただし将校だから高待遇というよりは、口止め料と考えるのが正しいと思います。実際喜び組に選ばれた段階で、『活動内容を口外しない』という誓約書を書かされるといいます」(惠谷さん)

 それも当然。活動実態は、口外がはばかれる内容だからだ。その実態について、1995年に北朝鮮から韓国に亡命した元喜び組の申英姫さんが、著書『私は金正日の「踊り子」だった』で詳しく暴露している。

 申英姫さんは1961年生まれ。北朝鮮の平城芸術専門学校を卒業し、1981年、前述した『万寿台芸術団』へ入団。そしてまもなく金正日総書記も出席するパーティーへの出席を指示される。同書によれば、会場には当時の北朝鮮の最高幹部約20人が顔を揃えていた。1984年になって、喜び組が正式に組織化されると、申英姫さんはその一員に選ばれ、「曲芸組」と呼ばれたグループの踊りについてこう触れている。

《舞台に上がった曲芸組の衣装は、ブラジャーで胸をすれすれに隠し、下半身は何もはかないで、赤のショールを巻いただけだった。そんな身なりで刺激的な動きをすると、一部の酔っ払った幹部らは舞台に上がり、曲芸組の赤いショールをこっそりめくってみたり、指で陰部を突ついてみたりした》

 週に1、2回開かれる酒宴での接待。こんな罰ゲームを強制されることもあった。

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」=[福岡県警提供](時事通信フォト)
《各地で増える”暴走”》駐車場を勝手に旧車會の集合場所とされた飲食店主「100台以上も…他のお客さんが入って来られん」と怒り
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン