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石破茂氏「皇室が終わるときは日本が終わると思っている」

自民党・衆院議員の石破茂氏

 天皇の生前退位について、世論は「恒久制度化」を強く望んでいるが、政府、自民党は「一代限りの特例法」で臨もうとしている。この乖離について『天皇論 平成29年』を上梓したばかりの漫画家・小林よしのり氏と自民党内にあって「皇室典範の改正」を主張する石破茂氏が議論した。

石破:退位した天皇が太上天皇(皇位を継承者に譲った天皇の尊号)になると「権威が二重になる」と心配する人もいますが、今上陛下がそんなことをなさるはずがありません。それでも「100年後に権威を持ち続ける太上天皇が現れたら困るだろう」と言われるんですが。

小林:皇后陛下でさえ天皇陛下がご発言されるときは頭を下げるんだから、今上陛下が譲位されたら、太上天皇として新天皇に頭を下げる姿が見られますよ。

 それに、太上天皇が院政を敷いた時代は天皇が権力者を差配できた。でも、いまは民主的な選挙があるから、新天皇を担ぐ自民党に、民進党は太上天皇を担いで対抗するなんてことができるわけがない。権威の二重性を心配する人は、民主主義の基本から勉強しないとダメだね(笑)。だいたい、国民からの信頼がなければ天皇は象徴たり得ません。権威の二重性を懸念する人間には、その信頼感さえないのでしょう。

石破:陛下への思いには個人差があります。私は、先帝陛下を尊敬していた父の教えもあって、子供の頃から皇室への畏敬の念を持っていました。ですから先帝陛下が崩御したときは、この世の終わりみたいな感覚になりましたね。泣けて泣けてたまらなかった。でも、自民党にもケロッとしてる人はいましたよ。「同じ国会議員でもこんなに違うのか」と思いました。

 しかし、東日本大震災の後、今上陛下が7週間連続で被災地に足を運ばれたり、全国14か所のハンセン病施設をすべてお巡りになったりして、全身全霊で国民統合の象徴たろうとされているのを近くで見ている国会議員には、それを国民に伝える責任があると思います。

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