『美女と野獣』、『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』、『ワイルド・スピード ICE BREAK』――ゴールデンウイークの映画興行収入ランキングで不動のトップ3にぴたりとくっついて離れない『帝一の國』の注目度が日増しに高まっている。
同名漫画を原作とするこの『帝一の國』のテーマは、命がけの生徒会選挙。学園内の政権闘争コメディーという、一風変わった設定だ。主演は今をトキメク菅田将暉(24才)。彼を、猫のようにズル賢くも愛くるしく支えるクラスメート役が志尊淳(22才)。ともに切磋琢磨するよきライバル役に竹内涼真(24才)、他にも、千葉雄大(28才)、松本岳(24才)…と、ここまで名前を聞いて、ピンときたかたもいるだろう。彼らの“出身”は、仮面ライダー、あるいは戦隊レンジャーなのだ。
それにしても『帝一の國』に、これほど元ヒーローが集まっているというのは偶然とは思えない。しかし、イケメン評論家の沖直実さんは、「そろえたわけじゃないと思う。旬の子たちが集まったら、たまたま元ヒーローが集まった」と見ている。
「今、1年間テレビに出させてもらえる番組って他にないんです。新人の俳優が1年間地上波に出続けられるということに加え、1年間みっちり演技もアクションも勉強できる。そうしたしっかりした基礎ができているから、元ヒーローはブレークしやすい」(沖さん)
撮影はほぼ毎日で、テレビのほかに映画版の撮影も同時進行で行われ、さらにファンイベントも開催される。たまの撮休は、雑誌などの取材日となることも多い。コラムニストの今井舞さんが続ける。
「ヒーロー出身という経歴は、公私ともに認められた下積みがあるということ。ドラマは主人公の成長ストーリーですが、それは演じている方も同じ。新人の頃から取材が多いので、自分の言葉で自分について発信することにも慣れますし、ファンと接する機会がたくさんあることでサービス精神を、周りのスタッフなど大人たちと過ごす時間の中で、礼儀を学びます。そうでない俳優とは基礎体力が違うんです」