「堀内監督が清原を7番に降格したところ、本塁打を打ってベンチに戻った清原がハイタッチを拒否する事件が起きた。
また、新外国人(キャプラー)の加入で自分のポジションが奪われると感じたローズが“ジャイアンツ・ファック!”と放送禁止用語を連発してチームを批判するなど、不協和音が絶えなかった」(スポーツ紙記者)
さて、由伸巨人は打率2割4分3厘と何とか1975年を上回っているが、「プロ野球が昔に比べて“打高投低”傾向にあることを考慮すると1975年より打率は低い」(巨人番記者)という見方もある。深刻なのは長打力だ。本塁打数チームトップの阿部慎之助でさえ10本で、その阿部は怪我で前半戦は絶望的。他の主なスタメンをみると、長野久義が2本、坂本勇人は8本、マギーが7本で、陽岱鋼が1本と寂しい限りだ。
V9戦士で、1975年に一軍守備・コーチ補佐を務めていた黒江透修氏が語る。
「ミスターの1年目は“V9の出涸らし”といわれたほど大幅に戦力ダウンしていたが、今の高橋巨人の問題は戦力がダウンしたわけではなく、無駄な戦力が多いことです。例えばマギーを獲ったことで村田(修一)を使う機会を失い、若手の岡本(和真)らが入り込むチャンスもない。しかも高橋巨人は野球が下手。ヒットエンドランがほとんどなく、作戦がバント一辺倒だが、そのバントも下手なんだからどうしようもない。高橋は“野球は選手がやるもの”といったそうだけど、冗談じゃないですよ」
トレードで日本ハムに放出した大田泰示(27)の本塁打量産を、複雑な思いで見ているファンも多いはずだ。