「ボイスレコーダーの彼女の声だけが一人歩きして、全人格を否定するような動きが広がっているので、彼女は元気でかわいい普通の人で、悪い人じゃないということを言いたかっただけなんです。『こんなに叩かれて、もう生きていられないわ』と飛び降りてしまうようなことをいちばん心配しています。これからも長い人生を、なんとか立ち直り、気を取り直して生きてほしい。そのためになるなら、こうやって書くことは私にとって当然の行動でした」
とはいえ誰にだって隠したいばかばかしい過去はある。逆ナンなど青くさい思い出の一ページは、できるなら塩漬けにしたまま二度と引っ張り出したくはないのではないか。しかし、これこそ、級友ならではの“忖度”だった。
「ありのままを書いて知ってもらえれば、怖い面にばかり焦点が当たらなくなると思うんです。自画自賛は豊田さんの公式ホームページにたくさん書いてあったので、人気者になるには自虐ネタも少しあった方がいいと思います。家のことはあまり言わない人でしたが、ポロッと漏らしたことがありますね。お父さんが高圧的で暴力的な人で、自分もそういう彼氏を選ぶ傾向があることを嫌がっていました」
現在田中さんは、弁当店で働きながら子育てに奮闘しているが、自身の仕事と豊田議員の仕事を重ねながらこう続けた。
「ミスのない仕事はありえません。お弁当屋さんでも時々大量注文の予約と同時に店頭注文が入ると、ミスが出ますから。豊田さんもそれはわかっているはず。でもいつの間にかそれを叱責する側に回ってしまった。企業でのパワハラもみんなそうですよね。完全に負のスパイラルで、不毛だなと思います。中高時代の豊田さんは、些細なミスを責めるような人ではなかったですから」
※女性セブン2017年7月20日号