「一代年寄襲名のための国籍条項を巡っては協会に屈したかたち(北の湖前理事長・八角理事長は特例を認めなかった)の白鵬は、今度は各部屋の『外国人力士枠』の撤廃を目指すのではないか。親方になるのに日本国籍が必要であることは協会の定款細則にも明記されていますが、現在、“各部屋に1人だけ”という外国人力士枠は、親方衆の申し合わせ事項で規則には明記されていない。変更のハードルは低い」(後援会関係者)
その“規制緩和”が実現すれば、モンゴル人力士の登竜門たる鳥取城北とのパイプがさらに活きてくる。
白鵬がそうまでして自らの部屋を大きくしようと野望を抱くのは、協会への「意趣返し」を企図してのことではないかとみられている。
「今年の初場所で稀勢の里が初優勝すると、たった1回の優勝で横綱昇進させ、角界は一気に“主役交代”の空気に包まれた。懸賞金は稀勢の里に集中し、マスコミの扱いだけでなく、館内の声援も稀勢の里や新大関の高安ばかり。モンゴル人横綱は完全に脇役となってしまった。相当、複雑な思いがあるでしょう。
だからこそ、自分の意見が通せるだけの勢力を作り上げたいのではないか。協会との過去の因縁の深さを考えれば、“史上初のモンゴル出身理事長になる”というくらいの野望があってもおかしくない」(協会関係者)
※週刊ポスト2017年8月11日号