●『真田丸』(2016年放送、主演・堺雅人)
昨年放送の大河の最終回では、単騎で徳川本陣に迫った真田信繁(堺)に追い詰められた家康(内野聖陽)が「儂を殺したところで何も変わらん。徳川の世は既に磐石。豊臣の天下には戻らん! 戦で雌雄を決する世は終わった」と叫び、それに対し信繁が自らの信念を語るシーンが描かれた。
徳川方に残された史料に大坂夏の陣の信繁の奮戦は書き残されているが、歴史研究家で『NHK歴史番組を斬る!』などの著書がある鈴木眞哉氏によれば「豊臣方の攻撃を受けた家康は、旗も馬印も放って逃げたとある。2人が顔を合わせることはない」と考えられている。
脚本家・三谷幸喜氏によって創り出された見せ場なのだ。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号