国際情報

中国ネトゲやアプリの世界は「現実の社会より自由で平等」

中国のゲーム人口は約5.6億人に達する

 中国の経済成長の象徴のような都市・深センの郊外には、地方出身の出稼ぎ者が集まるスラムが点在する。なかでも龍華新区は職業斡旋所が集中し、人々の間ではある斡旋所の名から「三和」と呼び慣らわされている。三和に集まる20~30代の若者には、ネットゲーム(ネトゲ)などにからめとられ、日本より発達したヴァーチャル決済によって借金を膨らませる者も多い。中国のネット上で「三和ゴッド(三和大神、サンホーダーシェン)」と呼ばれる彼らの姿を、ノンフィクションライター・安田峰俊氏が現地からレポートする。

 * * *
「将来の目標は……三和の堕落した暮らしから抜け出すことかな。でも、きっと無理だろうね」

 異口同音に語るのは、現在も三和で暮らす短期労働者の阿飛(アーフェイ、仮名、湖南省チン州市出身30歳)と老白(ラオパイ、仮名、湖北省荊州市出身32歳)だ。いずれも両親は出稼ぎ農民。それぞれ、若いころに深センに流れ着いて短期労働を繰り返すうち、30代になってしまった。

「俺は肺が悪いらしく、鴻海や日系企業のような採用時の健康診断がある工場では働けない。ろくに労働基準法を守らない中国系工場に行くしかないんだ」

 そう語る老白の貯金はゼロ。仲間とのトランプ賭博の負けが込んだのに賭け続け、オンライン闇金の借金が1万元(約17万円)に膨らんだ。月収の4倍の金額であり、返済のメドはまったく立たない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン