スポーツ

熊本・秀岳館の鍛治舎巧監督 「さらば幻想の高校野球」

熊本・秀岳館の鍛治舎巧監督

 3季連続で甲子園ベスト4に進出した熊本・秀岳館の鍛治舎巧(かじしゃ・たくみ)監督(66)が退任を発表。就任3年で無名校を甲子園常連に育てた一方、物議を醸す言動も多い指揮官だった。『永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット』などの著書があるノンフィクションライターの柳川悠二氏が、その「本音」に迫った(文中敬称略)。

 * * *
 秀岳館が熊本大会の準決勝で勝利した7月23日の夕刻、同校監督の鍛治舎巧からメールが届いた。鍛治舎は2日前に体調不良を訴え、自ら119番通報して緊急入院(診断は不整脈)。準決勝の采配をコーチの山口幸七に託していた。

《私は至って元気ですが、外出許可が出ません。医師の横暴です(笑)。でも私が球場にいなくても、同じことを山口コーチがしてくれました。以心伝心ですね。良い後継ぎができました。多謝鍛治舎》

 翌日の決勝で九州学院に辛勝した後にも届いた。

《病室で泣いていました! 余りに不甲斐ない試合に(笑)。さらに鍛え上げて再び日本一を目指します》

 熊本大会中のメールのやりとりから、この夏を最後に退任する腹づもりであることがうかがえた。私は、この鍛治舎巧という野球人が大嫌いだった。テレビカメラの前に立てば笑顔を絶やさず、NHKの高校野球解説を務めていた頃と同様、語り口は明快だ。しかし、ファンや報道陣の不興と顰蹙を買う行為も繰り返してきた。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン