「政権選択」のつもりで反自民の希望の党に投票した有権者の1票が、小池氏の自民党総裁就任への踏み台になるわけである。小池氏は公約に、全国民に毎月一定額の生活費を支給する「ベーシックインカム」などをあげていたが、それも自身の野望のために国民にチラつかせた“撒き餌”だった可能性すらある。
民主党代議士経験を持つ政治評論家・木下厚氏は別のシナリオが考えられるという。
「自公が過半数を維持しても、自民党が多少なりとも議席を減らせば党内で安倍降ろしが始まる。そういう状況で、小池氏が希望の党は首班指名で石破茂氏や野田聖子氏に投票すると宣言して自民分裂を仕掛ける可能性をみておくべきです。
失敗しても、希望の党は自民党反主流派とのパイプを誇示して与党に揺さぶりをかけられるし、自民分裂で石破政権ができれば小池氏は都知事を辞任し、民間人枠で副総理格の外務大臣か官房長官に就任することも可能です。衆院に鞍替えするのは次の衆院選か、あるいは補欠選挙でもいい」
“自分ファースト”な素顔を見せ始めた小池氏なら、こんな奇策もやりかねない。
※週刊ポスト2017年10月27日号