モンゴル勢の集まりには顔を出さないはずの貴ノ岩と、鳥取城北の集まりには来ないはずの日馬富士が居合わせ、結果として2次会の席で事件は起きた。
つまり、幕内に9人(横綱3、関脇1、平幕5)という一大勢力であるモンゴル人力士たちは、全く一枚岩ではないのだ。
「一言にモンゴル勢といっても前頭筆頭の玉鷲をはじめ、貴ノ岩、荒鷲、逸ノ城らは同郷の先輩とは積極的に交流しないし、土俵上でも遠慮なく全力でぶつかっていく。今年の初場所では、白鵬から貴ノ岩と荒鷲が金星をあげています。
2011年に発覚した八百長事件でモンゴル勢でも引退勧告を受けた力士がいたことから、若手はことさらガチンコを徹底しようとする。だんだんと世代間の溝が深まっていた」(前出のベテラン記者)
今回の事件は、単なる突発的な事故では片付けられない、モンゴル勢内部の「溝」の存在を裏付けている。
※週刊ポスト2017年12月1日号