しかも、この神谷さんには別の疑惑もある。岸和田市長選の際、信貴芳則現市長の支持者が、自民党の推薦を得る目的で現金200万円を神谷さんに渡したと証言した。神谷さんはもらっていないと否定しており、水掛け論になっている。
210万円にしろ、200万円にしろ、実に軽々しい。今年、2050万人となった非正規雇用の人の平均年収は172万円である。この人たちの年収の重みが、神谷さんには理解できないだろう。
非正規雇用の人だけではない。正規も非正規もあわせた労働者の平均年収は422万円。10年前と比べても、まだ13万円低い。世界第3位の経済大国といいながら、名目賃金は先進国のなかで、日本だけが20年近く上がっていないのだ。これでは経済がよくならない。
そのうえ、政治家の汚れた裏金と、格差の拡大で、ますます社会に怒りや不満がたまっていく。
ぼくは昨年、有志とともに「地域包括ケア研究所」を立ち上げた。「まちだ丘の上病院」という新しい病院をつくり、地域包括ケアの拠点にしたいと思っている。
経済的な基盤ができたら、空き家を利用し、シングルマザーシェアハウスをつくったり、シングルマザーが働けるような高齢者の小規模多機能型居宅介護の施設をつくろうと考えている。
ぼくがそう思ったのは、あるシングルマザーが、どこにも保育所が見つからず、保育所を確保している風俗店で働くことになった、という話を聞いたからだった。風俗店でさえ保育所のことを考えているのに、「脱・少子化」「女性活躍」をうたう国は、何をしているのか、怒りがこみあげてきた。