芸能

市川海老蔵の團十郎襲名は既定路線 “新・團菊”揃い踏みも

2020年までに團十郎襲名は既定路線

 400年の歴史を誇る伝統芸能の歌舞伎だが、2017年は暗いニュースが目立った。5月に中村獅童(45才)の肺腺がんが見つかり、6月には市川海老蔵(40才)の妻・小林麻央さん(享年34)が乳がんのため、この世を去った。10月には『スーパー歌舞伎II 「ワンピース」』の公演中の事故で市川猿之助(42才)が左腕開放骨折という役者生命を脅かす重傷を負った。

 そればかりではない。近年、歌舞伎界を襲う不幸は止まらない。中村勘三郎さん(享年57)、市川團十郎さん(享年66)、坂東三津五郎さん(享年59)と、歌舞伎界は相次いで巨星を失っている。

「この“負の連鎖”は2010年4月に旧歌舞伎座を閉場したことを機に不幸が重なったため、“歌舞伎座の呪い”と呼ばれています。暗い話題が続いた歌舞伎界にとって、高麗屋の三代同時襲名は久々の明るいニュースとなりました」(歌舞伎関係者)

 2017年12月11日、二代目松本白鸚(75才、元・松本幸四郎)、十代目松本幸四郎(44才、元・市川染五郎)、八代目市川染五郎(12才、元・松本金太郎)を三代同時に襲名した。三代同時襲名は37年ぶり、二代続けての三代同時襲名は歌舞伎史上初めてのことである。そして、この三代同時襲名は「歌舞伎新時代幕開け」の序章だという声もある。

「歌舞伎の興行主の松竹としては、日本の伝統文化である歌舞伎を2020年の東京五輪で世界にアピールしたいという思いがあります。その時、歌舞伎界トップの『市川團十郎』が不在という事態は何としても避けたい。そのため東京五輪までに海老蔵が十三代目を継ぐのは既定路線といわれています。その際は海老蔵の息子・勸玄くん(4才)が『八代目市川新之助』を襲名するダブル襲名になるでしょう」(前出・歌舞伎関係者)

 市川宗家・成田屋に受け継がれる「市川團十郎」は、歌舞伎界で最も権威のある大名跡であり、2013年に十二代目が逝去後は空位のままとなっている。新・團十郎誕生を盛り上げるため、水面下ではこんな壮大な計画が進んでいるという。

「高麗屋の三代同時襲名の後、團十郎との『團菊』コンビで知られ、成田屋と並ぶ名門・音羽屋の尾上菊之助(40才)が『八代目尾上菊五郎』を襲名するという構想があるようです。『菊五郎』を海老蔵と同じ年の菊之助に継がせることで、團十郎襲名への地ならしにもなる。海老蔵と菊之助で『新・團菊』の揃い踏みとなれば、これほどおめでたいことはありません」(前出・歌舞伎関係者)

 東京五輪に向けて、高麗屋、音羽屋、成田屋と歌舞伎の名門が立て続けに代替わりする。何ともドラマティックな筋書きである。

※女性セブン2018年1月18・25日号

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