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カヌー薬物混入 義父が独占告白「出家して出直させたい」

 鈴木の自宅とジム、そして久野氏の自宅は軒を連ねている。鈴木が悪質な行為に手を染めていたことを「いまだに信じられない」と久野氏は話す。

「普段はお酒を飲まないし、乱暴な言葉を発するようなこともない。子どもたちにもなつかれています。むしろもう少し不真面目なところがあれば……チームメイトを陥れようという気持ちにもならなかったでしょうし、陰湿な行為にも走らなかったと思います。真面目過ぎたからこそ、このようなことになってしまったのかなと……」

 鈴木は、2008年北京五輪のカヤックフォアで6位に入った実績を持つ綾香さんと結婚。2016年のリオ五輪出場の夢を果たせなかった鈴木は、同年に現役を引退。ふたりは福島に建てた自宅に住み、鈴木は久野氏が社長を務める会社に所属するようになった。

 しかし、しばらくして東京五輪を目標に現役復帰を決意し、同時期には自宅の隣にジムを建設。同所でトレーニングに励みながら、インストラクターとして地元住民への指導も行っていた。

 現役復帰やジムの経営はいずれも、義父の支援がなければ実現できなかったことだ。

「おかげさまで、娘はオリンピックに行かせてもらいましたが、康大の夢はかなわなかった。いずれ後輩を指導する上でも、ふたり揃ってオリンピックに出たという経歴を持っていれば、後輩の指導にあたる上でもきっと役立つはずです。だから私も、『頑張れるなら頑張れ』と復帰を後押ししていたんです。ジム開設の目的には、地元の子どもたちの中から娘に続く選手がひとりでもふたりでも出てくれたら、という思いもあった。別にカヌー選手じゃなくてもいいし、オリンピックに出場するような選手でなくてもいい。この田舎からスポーツの大会で活躍する選手が誕生すれば、地元への恩返しになる」

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