彼は、口説き方や紳士さは悪くなかった。エアードラムや田舎臭さ全開の世界観は横に置いておいて、連絡が来ないからとメールを連打したり、留守電まで入れてきたりする「余裕のなさ」は、口説かれ慣れている港区女子からしたら、完全アウトである。
常に紳士に、けれども主導権を握れるような力強さは、自信と余裕のある態度から示されるもので、そこに男性の魅力がにじみ出るのだと思う。
もし、連日続いたウェットな連絡がなかったとしたら、リベンジリッツ・カールトンで、エアードラムする姿を愛おしく眺める日があったかもしれない。