籔本と森下の関係からすると、健診センターの医療ツーリズムにおける阪大との提携もやりやすかったに違いない。実はもとを辿れば、この医療ツーリズムは、維新の会の橋下や松井の発案なのだ、と別の錦秀会の関係者が話す。
「もとは大阪万博を呼び込みたい松井さんたちが、2010年の上海万博を視察に行き、万博の売り物として見つけたのが医療分野なんです。
上海に行くと、日本の病院で治療を受けたいという中国人の金持ちが多い。で、松井さんたちが、関西は古くから薬問屋の街で医療が盛んだから売り物になる、と乗り気になった。松井さんからある医師を介してPET検査を実施していた籔本さんに話が行き、阪大が協力するようになったのです」
阪大の森下が「日本万博基本構想」委員になっているのは、そんな経緯があるからにほかならない。と同時に、維新の会では先端医療の国家戦略特区構想をぶち上げた。
特区構想自体は再生医療を軸にしており、阪大には別のスペシャリストの教授がいるので、森下は直接特区構想に携わっていないという。が、折に触れ、特区構想の実現を呼びかけている。彼らのネットワークの中で何が話し合われてきたのか。
ここへ来て、大阪における安倍人脈のキーパーソン、元外務副大臣の中山泰秀にも、新たな話題が持ちあがっている。
〈齊藤元章先生、おめでとうございます。更に上を目指して頑張って下さい。そして政府もこの研究開発を、今まで以上に更に力強く支援するべき課題だとの戦略的認識を持って欲しい〉
中山の昨年10月27日付フェイスブックにはこうある。齊藤の経営するスパコン開発「PEZY Computing」が、処理速度日本一を達成したというNHK報道のあった直後の投稿だ。