芸能

小室哲哉が生んだシンデレラストーリーとカラオケの関係性

数々のシンデレラストーリーを生んだ小室哲哉

 1990年代半ばから2000年代にかけてヒットチャートを席巻したのが小室哲哉(59才)プロデュースによる“TKサウンド”だ。安室奈美恵、篠原涼子、鈴木亜美(当時・鈴木あみ)ら、多くの女性アーティストをプロデュースし、ブレークさせた。

 しかし、そんな小室も『週刊文春』の不倫報道を受けて、引退を表明。その是非について、様々な議論が展開されている。

 TKサウンドが人気を博していた1990年代後半。特に女性リスナーたちを熱狂させたのは、小室がプロデュースした女性アーティストたちの背景にある“シンデレラストーリー”だった。

 小室が手がけたシンデレラとして真っ先に名前が挙がるのは、『I’m proud』や『I BELIEVE』がヒットした華原朋美(43才)だろう。1995年、華原のデビュー直前にふたりの熱愛がスクープされた際、小室が言った「アーティストに手をつけたのではなく、恋人に曲を書いてデビューさせただけ」という言葉は、世の女子たちを沸かせた。

 当時レコード会社に勤めていたラジオパーソナリティーでコラムニストのジェーン・スーさんも、小室のスゴさをこう振り返る。

「当時の小室さんは絶対に打ち上げを成功させるロケット発射台のような存在で、音楽業界で働いていた人間としては羨ましかった。特に朋ちゃんが世に出てきたときのことは、『これが本当のシンデレラストーリーだ…』と度肝を抜かれたことを覚えています。普通のかわいい女の子が、いきなりエンタメシーンの中心にかつぎ出され、海外ロケをはじめとする豪華なMVはもちろん、スタイリングやメイクまで、野口強やソニア・パークといった一流のスタッフからのバックアップを受けてどんどん洗練されていく。スター街道を駆け上がっていく様は、当時の女の子なら誰もが憧れたのではないでしょうか」

 小室マジックで変身したのは華原だけではない。バラエティー番組を中心に活動していた篠原涼子(44才)は『恋しさと せつなさと 心強さと』で大ブレーク。お茶の間に顔が売れたことにより、トップ女優への道を開いた。

 安室奈美恵はご存じの通り、同年代の女子から絶大な人気を得て、「アムラー」という社会現象も生んだ。

 後の小室の妻となるKEIKO(45才)はオーディションで小室の目にかない、『globe』のボーカルとなりミリオンヒットを連発。

 無名だった夢見る女子たちが“with t”の文字がつくやいなや、スターへの階段を駆け上がっていった。

 海外ロケにハイブランドのドレス、そして自分だけのために書かれた曲。小室哲哉という才能を注入されて光り輝く彼女たちに、同世代の女子たちは自分を重ね、夢を見た。

 ライターの速水健朗氏は、それを後押ししたのが、その頃全盛期を迎えていたカラオケだったと分析する。

「当時の女性たちは小室さんにプロデュースされた“シンデレラ”になりきってカラオケで歌っていた。また、小室さんもカラオケで歌われることを意識して、歌っている側の爽快感を重視して曲作りをしています」

※女性セブン2018年2月15日号

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン