2014年には神奈川県川崎市の介護施設で、入所者3人を転落死に見せかけて殺害したとして職員が逮捕。2010年にも埼玉県春日部市の介護施設で、入所者3人が職員に虐待されて亡くなっている。

 いずれの事件も、容疑者は犯行理由について「イライラしたから」と供述していた。市井の身近な所でも、いまだに車椅子での入店を拒否する店は数多あり、障害者差別は日本に根深く残る。

「かつて優生保護法を生んだ、社会的弱者を受け入れようとしない風潮が、今また国に蔓延しつつある。“障害者に優しい社会になってほしい”という願いが、今回の訴訟につながりました」(藤間弁護士)

 Aさんが国に求めることは2つ。被害者への謝罪と補償の立法化だ。

「強制不妊を巡っては、これまでも民間の救済団体が国に賠償を求めてきました。しかし、政府は『当時は適法だった』として、この問題に向き合おうとしなかった。2004年には厚労大臣が『どういう対応ができるか考える』と発言したにもかかわらず、その後なんの調査もしていません。この一件で国が動けば、今まで声を上げられずに苦しんできた強制不妊の被害者たちが救われるかもしれない。今回の裁判がきっかけで、同様の被害を名乗り出る人が続いてほしいと願っています」(藤間弁護士)

 前出の利光さんもこう話す。

「各都道府県の強制不妊に関する資料は廃棄処分されたものも多く、実態解明には高い壁が存在しています。今回の裁判を機に、国が責任をもって実態調査を行い、被害内容が正確に把握されることを強く望みます」

 Aさんの訴訟を受けて、仙台弁護士会は優生保護法下で強制不妊の手術を受けた患者やその家族を対象とした無料電話相談を実施。同会には問い合わせが連日届いているという。一方、厚労省サイドは今回の訴訟について、対応の如何を表明していない。仙台地裁の第1回期日は3月の予定。司法の判断が注目される。

※女性セブン2018年3月1日号

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