「マスコミ非公開で行なわれた研修は、暴力行為、賭博、車の運転など30項目の禁止事項を改めて確認し、力士らの行動を戒めた。ただ、印象に残ったのは“本場所中の親方・力士の動画出演禁止”が強調されたこと。初場所中に民放番組(日本テレビ『バンキシャ!』)に録画出演した貴乃花親方への批判のための研修に思えた」(前出の協会関係者)
研修最終日に行なわれた臨時年寄会では、初場所後、協会に無断でテレビ朝日の特番に出演した貴乃花親方への批判が相次いだという。
「今の協会内の勢力図がよくわかった。執行部派の親方からは“ルール違反”を咎める意見が次々と出たが、貴乃花シンパとみられていた親方からの擁護の声はほとんどなかった。春場所直前の定例理事会では貴乃花親方に何らかの追加処分が下される可能性も取り沙汰されている。一方の貴乃花親方本人は研修会を欠席。溝は全く埋まっていない」(同前)
そうして土俵外の対立が先鋭化しているからこそ、貴乃花部屋の弟子たちも“標的”になる。担当記者はこういう。
「部屋に関取が何人いるかは、親方の評価、求心力に直結する。貴乃花部屋は幕内の貴景勝に加え、十両が3人。9人いる弟子のうち4人が関取です。かつて大鵬親方や北の湖親方が強い関取を育てられず、“大横綱は名親方になれない”と揶揄されたが、貴乃花親方は違った。しかも、大学出身力士はいない。親方が自ら育てあげてきた」
若手親方のなかには現役時代の実績に加え、引退後の指導力を尊敬する者も少なくなかったという。