日本側は元徴用工への謝罪の意を表明し、被害者へ直接補償する意向を伝えましたが、韓国側は元徴用工への補償を含む賠償金をまとめて政府に払ってほしいとの要望を繰り返しています。韓国政府が賠償金を受け取った後に元徴用工たちに個別支給するという方式です。
その主張を受け入れた日本政府は韓国に5億ドルを供与しました。まだ日本は貧しかったため、その額は外貨準備高の3分の1近くに達し、10年年賦で支払いました。その資金で韓国はインフラを整備して、「漢江の奇跡」を成し遂げたのです。日本側の誠意が巧まずして交渉の議事録から明らかになった結果、あの反日の盧武鉉大統領でさえ、賠償金請求を諦めざるを得ませんでした。
しかし、そもそも慰安婦の「強制連行」も徴用工の「強制動員」も事実ではありません。実際、朝鮮総督府で官吏を務めた西川清氏の証言が収録された『朝鮮総督府官吏 最後の証言』や、ビルマやシンガポールで慰安所の帳場人をしていた朝鮮人の日記を読めば、韓国側の主張がいかに荒唐無稽かわかります。
●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。
※SAPIO2018年3・4月号