ベテラン女優の藤山直美が着物姿で顔に富士山をかぶって出てきて、紐が結べたり苦手なトマトを食べられた子供に向けて『キミはえらい!』を歌いながらでてきたときは感動すらした。そしてなにより、ガチャピンがスキューバダイビングやヒマヤラのヤラピーク登頂、ついには宇宙にまで!?といった驚くべきことにチャレンジできたのも、「面白いことを思いっきりやる」精神の現れだった。
子供番組ならではの自由、実験、「やってみました」感覚。音楽やアートの要素も含めて、45年間模索し続けたことは本当にすごい。そして、それを終わらせることは、番組作りのチャレンジの場を狭めることにならないかとも思う。
ガチャピンは公式ツイッターで番組終了を発表し、ムックとともに「新しい一歩を踏み出します」と報告をしている。すでに多くのCMにも登場しているガチャピンとムックは、これからも目にすることは多いはず。しかし、ホームとなる番組がなくなると、次世代の子供たちにとっては「何者?」とわからなくなる可能性も高い。国民的キャラクターとして「伝説」になる前に「現役」の彼らがあっと驚くことができるような作戦ができないか。そんなアイディアやチャレンジが出たとき、「やっぱりフジテレビだなあ」と面白がられると思う。
ちなみに3月25日の最終回について公式ホームページでは「しょうしょうとさくらのこの1年を振り返るよ」とある。ファンとしては1年だけでなく、山のようにある45年の名場面を振り返ってもらいたいと思うのだが。それは諸事情とかでできないんでしょうか。だとしたら、残念。