映画やアートに活動の方向性が変わりつつあるように見えるが、高校時代から長きにわたって苦楽を共にしてきた相方・石橋との関係はどうなるのか。
「貴明はね、最初からとんねるずのプロデューサーだったんです。全部貴明が決めて、僕はずっとその掌の上で自由にさせてもらってきた。
僕は昔の出来事をほとんど忘れてしまったけど、あの人はいつ発売したレコードがどれくらい売れたとか、すべて記憶している。神経の細やかな人間で、番組作りもすごく気を配って段取りつけるから、僕なんかは当日現場へ行けばいいだけ。だから信頼してきたし、これからも信頼していますよ」
気の合う仲間と心和ませてくれる家族、そして、心から信頼できる友に囲まれ、“オジさん”木梨憲武がいかに歳を重ねていくのか楽しみだ。
●きなし・のりたけ/1962年、東京生まれ。石橋貴明とコンビを結成。タレント以外にも、俳優、歌手としても活躍。1994年にテレビ番組の企画で始めたアーティスト活動を現在も継続。アトリエを持ち、本の表紙やCDジャケットなども手掛ける。これまで開いた個展は8回を数え、今後も6月のロンドンを皮切りに2020年6月まで日本各地で開催予定。主な出演映画は『そろばんずく』(1986年)『竜馬の妻とその夫と愛人』(2002年)ほか、『ファインディング・ニモ』(2003年)の日本語吹き替え版で主役のマーリンを担当。
■取材・文/大西展子、撮影/川上尚見
※週刊ポスト2018年4月27日号