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後半戦で一変する『西郷どん』 鍵は男たちの戦闘スイッチ

後半戦に突入する『西郷どん』(公式HPより)

 放送開始から半年が経ったNHK大河ドラマ『西郷どん』。視聴率は好調とは言い難いが、後半戦はガラリと作風が変わり、見どころ溢れる展開になっていくという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが後半戦について解説する。

 * * *
 序盤から安定した視聴率を記録するなど、堅調に推移しているにも関わらず、朝ドラ『半分、青い。』(NHK)や『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)などの話題に押され、すっかり影に隠れた存在となった大河ドラマ『西郷どん』。
 
 確かに『半分、青い。』はバブル期のカルチャー、『おっさんずラブ』は同性愛の純愛と、ネットメディアが食いつき、視聴者がSNSでつぶやきたくなるようなネタが豊富でした。

 一方の『西郷どん』は、同志、師弟、家族などの人間関係を描くシーンが続いたため、ハートフルである反面、話題性は今一歩。見続けている人からは一定の評価を得つつも、勇ましい活躍を期待した人を中心に「視聴を脱落してしまった」という人も少なくないようです。

 しかし、『西郷どん』は、全47話であり、24日放送の24話がちょうど折り返し地点に過ぎません。後半戦のスタートをきっかけに、これまでのハートフルな作風から一変して、幕末の大河ドラマらしい戦いのシーンが増えるなど、力強い展開が予定されているのです。

◆西郷は武闘派、強硬派に一変するか

 前半戦の西郷吉之助(鈴木亮平)は、「男からも女からもモテる」という人物像のもとに、純粋で熱い人情派として描かれてきました。たとえば14話では、一橋慶喜(松田翔太)を襲った刺客を思わず刺してしまったとき、「人の命をおいは奪ってしまいました。おいは人殺しじゃ……」と動揺するなど、戦いよりも話し合いを重視する穏健派だったのです。

 しかし、後半戦の吉之助は、まるで戦闘スイッチが入ったかのように、時に人命を奪うことに迷いのない武闘派となり、強硬派としての顔を見せはじめるなど、その人柄は一変するでしょう。禁門の変、幕長戦争に関わったほか、強硬な武力行使を止めようとする周囲の声に耳を貸さず、自らの意志で戊辰戦争、西南戦争などに参戦していきます。

『西郷どん』では、そんな吉之助の姿をどう描いていくのでしょうか? 勇ましくカッコイイ西郷なのか。それとも、大義のためなら冷酷非情になる怖さを見せる男なのか。前半戦で見せたキャラクターとの整合性を考えると、葛藤を抱えながらも力強く突き進む姿が予想されていますが、「武闘派、強硬派としての顔をどう描いていくのか」が注目を集めるのは間違いないでしょう。

 もちろん武闘派、強硬派としての戦いは、「薩長同盟や江戸城無血開城の立役者である」などの功績をしっかり描いた上でのこと。その両輪がそろってこそ、「戦いのシーンがなければ大河ドラマじゃない」と前半戦の展開を嘆いていた往年のファンを喜ばせられるはずです。

◆満を持して「幕末オールスター」が登場

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