国内

歴史的不漁、価格高騰 シラスウナギに何が起こっているのか

今や”高嶺の花”(撮影/岩本 朗)

「仕入れ価格の高騰により、価格改定をさせていただきます」
「努力を続けてきましたが、現在の価格を維持することが困難な状況になりました」

 鰻(ウナギ)の値上げを知らせる店頭や店のホームページには、苦しい現状に理解を求める言葉が並ぶ。年間で最も需要が高まる今夏の土用の丑の日(7月20日、8月1日)を目前に、値上げに踏み切る鰻専門店が相次いでいる。

 世界一のウナギ消費大国・日本の水面下で今、何が起こっているのか。

 今年の価格高騰の直接的な原因は、ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」の歴史的な不漁だ。日本国内で流通している国産ウナギの99%以上は養殖だが、実はウナギの養殖には100%、天然のシラスウナギを使う。つまり、私たちが食べている養殖ウナギも天然資源に100%依存していると言ってよい。

 蒲焼などで身近な存在のウナギだが、生態は謎が多く、マグロのような「完全養殖」の実用化には至っていない。シラスウナギは黒潮に乗り、冬から春にかけ北上して接岸する。それを漁師が採捕し、養鰻業者が養殖池で半年~1年半程度かけて育てた後に出荷する。

 そのシラスウナギ漁に、今季は異変があった。漁期は一般的に12月~翌年4月の間だが、今漁期は全国的な不漁に見舞われ、解禁直後は県単位で1匹も獲れない日もあったとされる。通常、採捕量が不足すれば、輸入で補う。しかし、今季は東アジア全域でも同様に不漁だったため、シラスウナギの取引価格が高騰したのだ。

 特に序盤の12月~1月にかけて深刻な状況が続き、昨季は1kg(約5000匹)=109万円(水産庁まとめ)だったシラスウナギの平均取引価格が、今季は一部で1kg=400万円以上で取り引きされたとの報道もあった。

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