「出演してもさんまさんには1ミリもメリットがないのに、僕の番組に来てくださるんです。ある番組でお願いしたら快く引き受けてくださって、『これまでオレの番組に出てくれたお返し』とおっしゃる。これまで何度もさんまさんの番組に呼んでいただいて、感謝しているのは僕の方なのに、“お返し”なんておかしいですよね。本当にありがたいですよ」
プライベートも順調だ。元レースクイーンの妻とは、今年で結婚14年目を迎えた。
「嫁と出会ったのは“抱かれたくない男”の頃。結婚当時は“あの出川と!?”とか、世間から言われたと思いますが、それでも僕を選んでくれた素敵な女性。根性が据わっていないと、僕となんか結婚できなかったですよ」
出川は、ロケ現場で握手攻めにあっても「ありがとう」と笑顔で触れ合い、時間がなければ「ごめんね」と謝る。常に実直でひたむきだ。そうした人柄から生まれる明るい笑いが、幅広く愛される理由なのだろう。この先、どこまで活躍の幅を広げるのか。
「悪い意味ではなく、世間は勝手なものだと知っています。だから、注目していただいても浮かれる気持ちはありません。これからも変わらず、やるべきことをやり続けるだけ。僕の芸で皆がドッと笑ってくれる。あの快感は、一度経験したらやめられないですから」
●でがわ・てつろう/1964年、神奈川県生まれ。専門学校卒業後、ウッチャンナンチャンらと劇団を旗揚げし、座長となる。1993年、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)で優勝、体を張ったリアクション芸人の道を極める。2017年4月から、念願のレギュラー冠番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京など)を担当。『アッコにおまかせ!』(TBS系)、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)にも出演。
■撮影/江森康之、取材・文/戸田梨恵
※週刊ポスト2018年7月13日号