その裁判傍聴時には予想もしていなかったことだが、のちに面会をするようになった私に対しても、千佐子は籠絡を試みるかのような行動に出た。
面会と並行して彼女からは計28通の手紙が送られてきたのだが、その文面は筧さんに出したメールを彷彿とさせるものだ。
たとえばある手紙では、〈お会いしたいのです〉との言葉に続いて、〈とじこめられた場所にいるので人恋しいのです。こんな処(?シューン)にいるのに、こんな出会い(? ?)があるなんて夢のようです〉(文面はママ。以下同)と綴られている。
また別の手紙では、〈本当にお会いしたいです。狭い日本なのに、なぜこんなに会えないんでしょうね〉との文面のあとに、〈お互い体を大切に、元気で長生きして、あなた100まで? 私98まで? 長生きしましょ〉とあった。
彼女のなかで、男性に対して常にこのような形でアプローチをするということが、習慣としてなかば染みついているのではないかと想像させる内容だった。
※週刊ポスト2018年7月13日号