国内

「安倍の懐刀」たちが埋め込んだ内閣人事局という時限爆弾

安倍政権で生まれた内閣人事局(時事通信フォト)

 事務次官を頂点とするピラミッド組織に身を置く官僚にとって、“出世レース”は最大の関心事である。かつて各省庁が握っていた人事権限を官邸に一極集中させ、官僚をコントロールする―安倍政権で生まれた内閣人事局は、だからこそ官邸一強の象徴とされる。果たしてこの組織は、官僚にどのような変化をもたらしたのだろうか。ノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(文中敬称略)

 * * *
 人間に関する事柄。人間社会に現れる事件──。

 広辞苑で「人事」を引くと、第一項にそう記されている。自然界に起きる現象に対し、人間が何らかの意図をもっておこなう出来事すべてを指しているのだろう。大辞林には、人間の力でできる事柄、ともある。

 その根源的な意味から転じ、会社や団体の組織において、個人の地位や身分を決める。それもまた、人事である。人は誰しも、組織の中で人事に最大の関心や不安を抱き、ときに自らの人生を左右する人事権者に媚びへつらう。

 安倍一強の政府で起きている現象が、まさにそれだと感じるのは、私だけではないだろう。言うまでもなく中央省庁の幹部人事を一手に握っているのが、第二次安倍政権下で発足した内閣人事局である。霞が関の官僚たちは、あたかも内閣人事局の前にひざまずき、財務省は、背任の嫌疑がかけられることも厭わず、公文書の改ざんに走った。

 首相官邸の力の源になってきたといわれて久しい内閣人事局。その実、どのようにしてできたのか、そこすらあまり伝えられていない。

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン